県予選前日

球次(いよいよ明日か…)

楓太「そんなに緊張すんなよ。」

球次「そうだな。ところで明日の一回戦は?」

奏「球次たちはC校の小坂・加藤ペアだね。」

楓太「いきなりきついな。でも今の俺らなら、」

球次、楓太「勝てる!」

奏「二人とも頑張ってね!」

この日は練習を早めにきりあげ、翌日に備えた。


県予選当日

先生「それぞれこれまでやってきた事を全てぶつけるつもりで試合に臨むこと。」

部員「はい!」

先生「桜庭と村上はすぐに試合が入るからこの後アップをしておきなさい。」

球次、楓太「はい。」

楓太「絶対に勝つぞ!」

球次「当たり前だろ。でもあまり熱くなるなよ?」

楓太「おう。」


一回戦目いきなり相手にペースを奪われいっきに3ゲームを取られてしまった。

楓太「クソ!俺がもっと動けていれば。」

球次「まだ終わってない!冷静に考えろ。こっからが本番…だろ?」

楓太「ありがとう。こっからは俺らのペースに引きこむぞ!」

球次「よっしゃ!行くぞ。」

楓太「おう!」

その後俺らは自分たちのペースを取り戻し、6対4とギリギリ勝つことができた。

先生「次の試合まで時間あるから少し休んでおきなさい。」

球次「ありがとうございます。」


俺らは勢いに乗ってついに決勝まで駒を進めた。

球次「ここまで来たんだ、必ず、」

楓太「優勝、」

球次、楓太「するぞ!」

決勝の相手はかなり強く点を取っては取られる激しい攻防が続いた。

球次「あと2ゲーム取れれば俺らの勝ちだ。」

楓太「相手はほとんどスタミナがきれてる。」

球次「全て出しきるぞ!」

楓太「おう!」

俺らは宣言通り全てを出しきり…

審判「ゲームセット!6対3で桜庭・村上ペアの勝利。」

この時俺はこれまでに無いくらい泣いた。


部員「おめでとう!」

先生「本当に優勝するとは思ってなかったな。」

楓太「酷くねっすかそれ。」

奏「とにかくおめでとう!あと球次はもう泣くな。」

球次「な、泣いてねーよ!」

奏「さっきまで泣いてたじゃん。」

球次「仕方ないだろ、だって…」

奏「だって?」

球次「う、嬉しかったし。」

楓太「そうだな、これまでで一番嬉しかった!」

先生「お前らも疲れてるだろうし荷物まとめて帰るぞ。」

部員「はい!」


球次(今日は最高の一日だったな。)

俺の人生のタイムリミットは俺の知らない間に速度を上げていた。



To be continued...