病院を退院して一ヶ月が過ぎた。

球次(技術は完全に戻ってきたな。)

授業が終わり早くコートに向かおうと教室を出ようとすると、

担任「桜庭。澤田先生が職員室に来るようにと言ってたぞ。」

球次「分かりました。ありがとうございます。」

球次(なんだろう。いい機会だし先生にもう一度練習試合を組んでもらえるか聞いてみるか。)


コンコン ガラッ

球次「失礼します。2-A桜庭球次です。澤田先生に用があって参りました。」

澤田「来たか。ここでは何だし、生徒指導室で話そう。」

球次「はい…」

球次(俺なんかしたかな。)


ガラッ

先生「球次。」

球次「は、はい!」

先生「そんなにかたくならなくてもいいよ。それで、来月の県予選の事なんだか。」

球次「はい。」

先生「団体メンバーにお前を入れたいと思っている。」

球次「でも…」

先生「言いたいことは分かる。だが、楓太のペアはお前しかいないと思ってるのも事実だ。だから県予選の団体戦に出てくれないか?」

球次「とても嬉しいです!期待に添えるように頑張ります!」

先生「ありがとう。では申請しておくよ。」

球次「先生。お願いがあります。」

先生「なんだ?」

球次「練習試合を組んでほしいんですが。」

先生「分かった、再来週あたりに組んでみよう。」

球次「ありがとうございます!」

先生「じゃあもう部活に行っていいよ。皆に練習試合の事伝えておいてくれ。」

球次「分かりました。伝えておきます。」


コートに行くと、

楓太「遅刻厳禁だぞ!」

球次「ごめん、先生に呼ばれてさ。」

楓太「なら仕方ないな。一回皆集めるか?」

球次「そうだな。」

楓太「集合!」

部員「はい!」

俺は練習試合の事を説明した。

球次「県予選も近いし大事な用がある人以外は極力来るようにして下さい。以上!では練習に戻って下さい。」

部員「はい!」

楓太「球次。もちろん団体出るんだよな?」

球次「当たり前だろ!」

楓太「やっぱ俺のペアはお前しかいねーな!」

球次「足は引っ張んない。約束するよ。」

楓太「何言ってんだよ。引っ張ったっていいんだよ。俺がフォローしてやるよ。そのためのペアだろ?」

球次「そうだな。ありがとう。」

楓太「さっさと練習するぞ。」

球次「分かってるよ。」

球次(足じゃなく手を引けるようにならないとな。)




To be continued...