「ねえ、雅。私、雅のこと親友だと思ってた。雅は、私のこと、利用してただけなの?」
「…いや。憂だから、今、一緒に住んでる」
そっかと呟き、私は雅に手を伸ばした。
「じゃあ、これからも親友として仲良くしよう、雅」
おう、と雅は私の手を握った。
男女で親友になんてなれるはずがなかったのに。
「私、コンビニに行くけど雅も来る?」
「…まあ心配だし」
カツラを被り、雅は微笑んだ。
「…私より美人だわ。ほんとムカつく」
「褒めてんの貶してんの」
「褒めてる」
悔しいなぁと何回も思うが私の頬は緩んでいるだろう。
雅は、変わらないもの。
「そういえば近くに生徒の家があったな、」
「教育熱心ですね、葛城センセー」
「いや、単に記憶力がいいってだけだから。てかその呼び方私の生徒にそっくり」
センセーってだらしなく語尾を伸ばす感じが永瀬 透くんにそっくり。
「へーえ。…ね、葛城センセー、こんな夜遅くにどこに行くんですか?」
「何その言い方。もう着いちゃったし」
コンビニの中に入るとさっきまで蒸し暑かったのが嘘のように涼しかった。
さ、ビールビール……
「あれ、葛城先生?」
「わ、松永くん!それに永瀬くんも…!どうしたのこんな夜遅くに…」
まさかの生徒と遭遇。
しかも永瀬くんは今日で二度目だ。
「やー今日は男子会やっててー。先生も来ます?」
「行きませんー」
ですよねー、とわざとらしく笑いながら頭を掻く松永くん。
男子会、か。
「…センセー、今、一人じゃないよね」
…ほら、永瀬くんの言い方。
雅にそっくりで…
「一人じゃない、けど」
「憂?どした?」
雅が来る。
…永瀬くんと、雅。
そっくり。
