女と思ってた親友は男でした。



私も彼の隣に座る。


「俺の父さんが外国にいる、っていうのは知ってるだろ?」

「知ってる、けど、それが?まさか外国に行くのが嫌で女装してんの?」


「まあ、正解。俺の父さんは所謂大手企業の社長で、俺はその後継。

高校の時、父さんが外国に来いっていきなり言いだしたわけ。

俺は日本でやりたいこと、守りたいものだってあったし、

父さんの言いつけを無視した。

もちろん日本に父さんの会社の支社はあるわけだから俺は逃げるために

女装して大学に入学した。

そんで、お前に出会った」



…漫画みたいな、話。

新手の詐欺かななんて思うけど、もう騙されてたもんね、私。


「…事情はわかりました。…新しい部屋探すの手伝ってくれませんか。なるべく早く引っ越すんで」


よいしょとビールを取りに私は立ち上がった。

別に、私には関係ない。

引っ越せばいいだけの話だ。


「今引っ越せば憂も狙われるんだけど」


「はぁ?なんでそうなるんですか」


冷蔵庫にビールが無かったことに気づき、イライラが更に募る。


「ビール玄関にあるから」

「…ありがと」


悔しながらやっぱり雅は気が利くななんて思い、玄関のビールを取った。