今思えば、確かに体つきは男らしかったし、男だと言える根拠はいくらでもあったんだと思う。
…親友の正体にも気づけないなんて、そりゃあ生徒の心のうちも読めないだろう。
たとえば永瀬くんのような大人びている生徒が何を考えているかわからないなんて、ただの言い訳だ。
葛城 憂、24歳。
教師になって、2年。
雅と親友になって、6年。
6年間、気づかなかったなんて笑えない。
「憂、カレーよそっとくからー」
「ありがとーすぐ行くー」
……つい、いつも通りに応えてしまった。
ちゃんと話、しないとね。
…この部屋は雅が借りたんだから私が出て行かなきゃいけないんだ。
嗚呼、どうしよう。
髪をワシワシとタオルで拭きながら私は浴室を出た。
「……俺が男って分かってもそんな格好すんだ」
え?と自分の服装を確認する。
ノーブラに薄いシャツ、そして短パン…
「…もうさんざん見てきてるでしょ」
「いや、そうだけど」
笑いながら雅…彼は言った。
「…お話、聞かせてくださいませんか」
ストン、とソファに座った彼はため息を吐いて私に向き合った。
