5
ショッピングモールのフードコートで適当にそれぞれ食べたい物を買って、一つのテーブルに集まってあまり会話がはずまないままに食べ終えた。
俺たちはすることがなくなると急にそわそわしだした。
このままでいたら、ずっとテーブルについたままになりそうだったので、俺は何かないかと周りに視線を向けた。
フードコートの隣がゲームセンターになっていて、そこには色々と遊べるものが置いてありそうだった。
目に焼き付く派手な色が集まり、機械音が微かに耳に入ってくる。
まるでラスベガスのカジノだ。
実際行った事ないが、そこだけ雰囲気が違うギャンブル的な要素があった。
「なあ、ちょっとあそこで遊んでみようか」
俺の提案に反対はしなかったが、ノゾミもセイもあまりピンとこない感じだった。
俺が立ち上がり、トレイにのった空になった食器を運べば、同じように二人もそれに続く。
その後は迷わずゲームセンターに足を運んだ。
適度に人がゲーム機に群がり、まさに獲物を狙う目で勝負に挑んでいた。
人を観察するだけでも面白い。
たまたまクレーンで商品をゲットしている瞬間に出会うと、俺は素直に感嘆してしまう。
「よく獲れるもんだな」
すでにいくつも商品を手にしている者も歩いていた。
俺が獲れたら、それをノゾミにプレゼントしてやりたい。
何か獲れそうなものはないかと思っていた時、ノゾミが「あっ」と声を上げた。
「どうした?」
「あれ」
ノゾミが指差した機械には、ホールケーキを型どった丸いクッションが入っていた。苺も飾られ、可愛らしく作られている。
ケーキ作りが好きなノゾミが反応しそうな景品だった。
それはかなり大きいものだから、それを獲って下さいと言わんばかりに一つだけ所定の位置に置かれていた。
それを三本の爪で掴んで持ち上げるという動作で手に入れるゲームだった。
後から知ったけど、それはトリプルキャッチャーというゲーム機らしい。
上手くレバーを操作して、三本爪が確実に掴めば、簡単に取れそうな雰囲気がした。
「トリプルキャッチャーはわざと獲らせないようにしてるから、掴んでも落とし口までは運べないよ」
俺が興味を抱いてみている傍でセイが呟いた。
「えっ?」
「機械が獲らせる率を調整してるんだ。ある程度の金額が支払われた時、獲らせてもいいと判断したらあれは獲れるようになるしかけさ」
ショッピングモールのフードコートで適当にそれぞれ食べたい物を買って、一つのテーブルに集まってあまり会話がはずまないままに食べ終えた。
俺たちはすることがなくなると急にそわそわしだした。
このままでいたら、ずっとテーブルについたままになりそうだったので、俺は何かないかと周りに視線を向けた。
フードコートの隣がゲームセンターになっていて、そこには色々と遊べるものが置いてありそうだった。
目に焼き付く派手な色が集まり、機械音が微かに耳に入ってくる。
まるでラスベガスのカジノだ。
実際行った事ないが、そこだけ雰囲気が違うギャンブル的な要素があった。
「なあ、ちょっとあそこで遊んでみようか」
俺の提案に反対はしなかったが、ノゾミもセイもあまりピンとこない感じだった。
俺が立ち上がり、トレイにのった空になった食器を運べば、同じように二人もそれに続く。
その後は迷わずゲームセンターに足を運んだ。
適度に人がゲーム機に群がり、まさに獲物を狙う目で勝負に挑んでいた。
人を観察するだけでも面白い。
たまたまクレーンで商品をゲットしている瞬間に出会うと、俺は素直に感嘆してしまう。
「よく獲れるもんだな」
すでにいくつも商品を手にしている者も歩いていた。
俺が獲れたら、それをノゾミにプレゼントしてやりたい。
何か獲れそうなものはないかと思っていた時、ノゾミが「あっ」と声を上げた。
「どうした?」
「あれ」
ノゾミが指差した機械には、ホールケーキを型どった丸いクッションが入っていた。苺も飾られ、可愛らしく作られている。
ケーキ作りが好きなノゾミが反応しそうな景品だった。
それはかなり大きいものだから、それを獲って下さいと言わんばかりに一つだけ所定の位置に置かれていた。
それを三本の爪で掴んで持ち上げるという動作で手に入れるゲームだった。
後から知ったけど、それはトリプルキャッチャーというゲーム機らしい。
上手くレバーを操作して、三本爪が確実に掴めば、簡単に取れそうな雰囲気がした。
「トリプルキャッチャーはわざと獲らせないようにしてるから、掴んでも落とし口までは運べないよ」
俺が興味を抱いてみている傍でセイが呟いた。
「えっ?」
「機械が獲らせる率を調整してるんだ。ある程度の金額が支払われた時、獲らせてもいいと判断したらあれは獲れるようになるしかけさ」



