3
セイに連れられて来た場所は、雑踏のごちゃごちゃした街の中で、緑の自然が突然湧いたように、憩いの空間が広がる公園だった。
自由に散歩できたり、駆け回ったりして人も犬も鳥も集まってくる。
天気がいいこの日は、健康的な場所として清々しく目に映った。
その一角にバスケットゴールが備えられ、セイはその下で肩に掛けていたスポーツバッグをおろし、そのジッパーを勢いつけて引いた。
中からはオレンジ色でお馴染みのバスケットボールが顔を出し、それを手にしてセイは俺を睨んだ。
「な、なんだよ。バスケでもするのか?」
俺が唖然としているその目の前で、セイは真剣な眼差しを俺に向ける。
「そうだ。1ON1だ」
一対一でバスケをするのはわかるが、一体これに何の意味があるというのだろうか。
俺はまだ首を傾げてキョトンとしていると、バスケットボールが勢いついて俺に飛んできた。
「おい、いきなり投げるなよ」
条件反射でしっかりと掴むも、その衝撃に少しドキッとした。
その間にセイはストップウォッチを取り出し、手元でピッピと操作をし、それを俺に突き出して見せた。
デジタルの数字が『5:00』となっている。
「5分間の勝負でどちらが多くボールをシュートするかの勝負だ」
セイは一方的に試合を押し付ける。
「俺とバスケ? なんで?」
「だから勝負と言っただろ」
「でも、いきなりバスケで勝負って、それになんの意味があるんだ?」
「つべこべ言わずに勝負しろ」
セイはストップウォッチをノゾミに渡し、そして学ランを脱いでスポーツバッグの上に落とした。
俺はまだよくわからないまま、ボールを持って突っ立っている。
その傍でノゾミがおろおろとしていた。
セイはゆっくりと俺に近づいたかと思うと、いきなり俺が持っていたボールをはたく。
それは地面に打ち付けられ、ポンっと勢いよくバウンドする。
そのすぐ後、セイは素早く動いてそれをさらに打ち付けてドリブルし、リズミカルにゴールに近づいてレイアップシュートする。
ボールはきれいにゴールを潜り抜け下に落ちた。
セイはそれをまた手にして、俺に挑む目を向けた。
「今のは練習だ」
少し意地悪く微笑んだ顔は、自信たっぷりだと言わんばかりだった。
油断していたが、セイの動きはバスケットに慣れているものを感じた。
「バスケット好きなのか?」
俺の質問には答えなかったが、その代わりボールを投げてよこした。
セイに連れられて来た場所は、雑踏のごちゃごちゃした街の中で、緑の自然が突然湧いたように、憩いの空間が広がる公園だった。
自由に散歩できたり、駆け回ったりして人も犬も鳥も集まってくる。
天気がいいこの日は、健康的な場所として清々しく目に映った。
その一角にバスケットゴールが備えられ、セイはその下で肩に掛けていたスポーツバッグをおろし、そのジッパーを勢いつけて引いた。
中からはオレンジ色でお馴染みのバスケットボールが顔を出し、それを手にしてセイは俺を睨んだ。
「な、なんだよ。バスケでもするのか?」
俺が唖然としているその目の前で、セイは真剣な眼差しを俺に向ける。
「そうだ。1ON1だ」
一対一でバスケをするのはわかるが、一体これに何の意味があるというのだろうか。
俺はまだ首を傾げてキョトンとしていると、バスケットボールが勢いついて俺に飛んできた。
「おい、いきなり投げるなよ」
条件反射でしっかりと掴むも、その衝撃に少しドキッとした。
その間にセイはストップウォッチを取り出し、手元でピッピと操作をし、それを俺に突き出して見せた。
デジタルの数字が『5:00』となっている。
「5分間の勝負でどちらが多くボールをシュートするかの勝負だ」
セイは一方的に試合を押し付ける。
「俺とバスケ? なんで?」
「だから勝負と言っただろ」
「でも、いきなりバスケで勝負って、それになんの意味があるんだ?」
「つべこべ言わずに勝負しろ」
セイはストップウォッチをノゾミに渡し、そして学ランを脱いでスポーツバッグの上に落とした。
俺はまだよくわからないまま、ボールを持って突っ立っている。
その傍でノゾミがおろおろとしていた。
セイはゆっくりと俺に近づいたかと思うと、いきなり俺が持っていたボールをはたく。
それは地面に打ち付けられ、ポンっと勢いよくバウンドする。
そのすぐ後、セイは素早く動いてそれをさらに打ち付けてドリブルし、リズミカルにゴールに近づいてレイアップシュートする。
ボールはきれいにゴールを潜り抜け下に落ちた。
セイはそれをまた手にして、俺に挑む目を向けた。
「今のは練習だ」
少し意地悪く微笑んだ顔は、自信たっぷりだと言わんばかりだった。
油断していたが、セイの動きはバスケットに慣れているものを感じた。
「バスケット好きなのか?」
俺の質問には答えなかったが、その代わりボールを投げてよこした。



