7
ユメが作ってくれた朝ごはんを、ちゃぶ台を囲んで皆で食べる。
目玉焼きに、トースト、コーヒー、そしてセールで安かったという買いだめしていたヨーグルトを出してくれ、俺は遠慮なく頂いた。
異母姉妹だけども、二人を見ていたら普通の姉妹と変わらない。
よく見れば、この二人にも共通点があった。
ノゾミの目の形が、姉の目の形となんとなく似ていた。
今、ユメは化粧前のすっぴんだから、それが良く見えた。
「天見君、何をそんなに私の顔を見てるのかしら。そんなにすっぴんだと別人に見えるって言いたいの?」
「そうじゃなくて、姉妹だから似てるところがあるなって、思ったんです。化粧してたらわからなかったです」
「だって、姉妹ですもの。ねっ、ノゾミ」
「うん」
ユメはいい姉になろうとしているのが良く見える。
そんな姉をノゾミなら益々好きになって行くことだろう。
俺はこれからセイとどう向き合っていくべきなのか、この姉妹を見ながら色々と考えていた。
でもまだすぐには気持ちを切り替えられない。
「だけどさ、どうして俺の弟と知り合ったんだ?」
何気に浮かんだ疑問だった。
トーストをかじろうとしているノゾミに顔を向けると、ノゾミは持っていたパンをお皿に置いた。
そして下を向いて黙り込んだ。
「どうしたのノゾミ?」
ユメが俺を代弁して訊いた。
俺たちがじっと見つめていると、答えざるを得なくなって口を開く。
「覚えてない」
「ノゾミ、なんか隠してるでしょ。余程、人に言えない出会い方なの? それだと益々知りたくなるじゃない」
ユメが突っ込んでもノゾミは頑なに口を閉じ、首を横に振るだけだった。
それがとても不自然で、俺は妙に納得できないものがあった。
まるで俺が知ってはいけないような──
そんな時、鋭い目をした男の顔が一瞬頭に浮かび、すぐさま消えた。
あれ、俺、もっと早くにセイに会っていたような気がする。
思い出そうとすると、逃げるように記憶が消えてしまった。
ノゾミを見れば、何事もなかったように、またトーストを手に取り、口元に運ぶ。
小さく口をあけ、もそもそと元気なく食べていた。
ユメが作ってくれた朝ごはんを、ちゃぶ台を囲んで皆で食べる。
目玉焼きに、トースト、コーヒー、そしてセールで安かったという買いだめしていたヨーグルトを出してくれ、俺は遠慮なく頂いた。
異母姉妹だけども、二人を見ていたら普通の姉妹と変わらない。
よく見れば、この二人にも共通点があった。
ノゾミの目の形が、姉の目の形となんとなく似ていた。
今、ユメは化粧前のすっぴんだから、それが良く見えた。
「天見君、何をそんなに私の顔を見てるのかしら。そんなにすっぴんだと別人に見えるって言いたいの?」
「そうじゃなくて、姉妹だから似てるところがあるなって、思ったんです。化粧してたらわからなかったです」
「だって、姉妹ですもの。ねっ、ノゾミ」
「うん」
ユメはいい姉になろうとしているのが良く見える。
そんな姉をノゾミなら益々好きになって行くことだろう。
俺はこれからセイとどう向き合っていくべきなのか、この姉妹を見ながら色々と考えていた。
でもまだすぐには気持ちを切り替えられない。
「だけどさ、どうして俺の弟と知り合ったんだ?」
何気に浮かんだ疑問だった。
トーストをかじろうとしているノゾミに顔を向けると、ノゾミは持っていたパンをお皿に置いた。
そして下を向いて黙り込んだ。
「どうしたのノゾミ?」
ユメが俺を代弁して訊いた。
俺たちがじっと見つめていると、答えざるを得なくなって口を開く。
「覚えてない」
「ノゾミ、なんか隠してるでしょ。余程、人に言えない出会い方なの? それだと益々知りたくなるじゃない」
ユメが突っ込んでもノゾミは頑なに口を閉じ、首を横に振るだけだった。
それがとても不自然で、俺は妙に納得できないものがあった。
まるで俺が知ってはいけないような──
そんな時、鋭い目をした男の顔が一瞬頭に浮かび、すぐさま消えた。
あれ、俺、もっと早くにセイに会っていたような気がする。
思い出そうとすると、逃げるように記憶が消えてしまった。
ノゾミを見れば、何事もなかったように、またトーストを手に取り、口元に運ぶ。
小さく口をあけ、もそもそと元気なく食べていた。