中庭へ向かう途中、生活指導のA先生に呼び止められた。
 先生「なんだお前、左手首にタトゥーなんか入れて。高校制になったばかりだぞ。調子のり過ぎだぞこのままでは・・・」
 中村「先生、口挟んで悪いんですけどこれタトゥーじゃなくてシールの奴なんですよ。昨日駄菓子買ってついでに面白いと思ってはっつけたままだっただけですよ!コイツ、佐藤は先生に怒られるような生徒じゃないこと知ってるでしょ。今回だけ多め見て下さい。お願いします。」
 佐藤「申し訳ありませんでした。」
 中村「佐藤もこう言ってますし次回からは気をつけますから」
 先生「佐藤だから許すが次、見たら処分だからな。」
 佐藤・中村「ありがとうございます。申し訳ありませんでした。」頭を下げて言った。そして先生も去っていった。
 中村「お前なんで変なタトゥーしてるの!たっく、焦ったぜ今回は・・・」 
 コイツは唯一の友達、中村勇一、人情ぶかくて面倒見がよくてすごくいい奴なのだ。
 佐藤「これはタトゥーとかじゃなくて、痣なんだ小さい頃からあって桜の半分みたいな形と蝶みたいなこれも半分なんだけど、左手首にあるんだ。ずっと・・・だから小さい頃からファンデーションで隠してるけど今日つけてくるのも忘れたし持ってくるのも忘れた・・・」「まぁ、こんな感じでありがとうございましたー。」
 中村「なるほどなぁー?でも不思議だよな片割れだけなんて綺麗だけど。A先生煩いからな。まぁ、気おつけろだな」
 佐藤「気持ち悪いとか思わないの?皆、みたら逃げてぼっちになってたんだけど・・・」
 中村「ただの痣だろうが、これで呪われて死ぬんだったら別だろうけど皆、お前の中学校の奴もいるし安心だろうが!気にすんなよ(笑)」