4月上旬、高校も春休みになった。桜ら外にも出してもらえずに家の中で軟禁されていた。
 でも今日は違った。晴れやかな、澄み切った空は春の空。桜も早く咲きはじめ命が芽吹く瞬間を目で楽しんでいた。
 少しだけ、浮かれていた。今日は凛君と海で会う日、洋服は上には少し厚めの薄水色のカーディガン、ワンピースは薄ピンクの桜模様がほどかされている、靴は白で桜模様のパッチ止め月いているものに決めた。メイクは薄くしてピンク色のリップだけつけてみた。余り化粧もしなかったが凛君の隣にいると決めた時から、「何時でも綺麗だねって」言われたいと思ったのだ。髪の毛はストレートに腰まで伸びている髪の毛はツヤツヤしていて全身から美しさが滲み出ていた。
 私はこれから、急いで家の中を走って外に出て行かなければならない。海にまで行くために頑張らないと!

 私はまず広いこの家から脱走する方法を考えたが行き当たりバッタリの確率のほうが良いと感じた。女の勘かな?
 私は、自室からそっと出ると、メイドから「お嬢様どちらへ行かれるのですか?そんな格好をして見つかりましたら父君に怒られてしまいますよ」っと言われた。
 海「たまには、オシャレもしたいなって思ってせっかく春服買ったのに着ないのももったいないわ。ただお腹がすいてしまったの。紅茶とかクッキーはないかしら?」メイドには少し不思議な顔をしたが桜のワンピースをみて少し納得したのだろう。そさくさと「お茶の準備を致します」と言って奥へと消えた。階段を下りるとまた、メイドがいた、さっきと同じ文句を言っていたので「お父様から今呼ばれているの。」と嘘をついた。