年が明けて間もなく刀坂 翼はイライラしていた。婚約者があの汚い奴の事が好きでまだベタついてると思うとイライラが隠しきれなかった。父親に言って山に狩りにもいったが、役立たずな会社員が熊に殺されかけたとか抜かして、帰ってきやがった。
 当然、山狩りにもっと手を付けてくれ、あいつは熊と同じで俺の畑を食い散らかす奴だ、と言ったのに怪我人がとか言ってこれ以上は無理だと言った。
 「チッ」こっちだって政略結婚なんなぞ。高々、横に奥だけの奴だけど・・・こっちの学校側にもメンツがあるし、建前的には婚約者だからな。そこら辺に可愛い女はころがってるし、俺の好みなタイプじゃないし。面倒だな・・・。
 早く結婚して、置物にすればこっちも好き勝手に女の子と遊べるのに・・・まぁ、海 桜にはそうさせないけど・・・
 2月くらいに適当に金持たせて・・・山狩り開始させるかぁー。
 「あいつはどう動くか楽しみだな。」金髪に染められた髪を弄りながら不適に笑う翼は、次の女はどうしようかと考え始めた。彼は自分の顔と巧みな言葉で女と会社も巻き込みながら遊ぶ。
 
 その姿はイライラはしてるけど余裕が漂う王子様の姿そのものだった。
 彼は天才なのだ・・・だから持てる全ての駒を使い基盤にのせチェスで遊ぶように人を使い分ける
 そして使えない駒はさっさと捨てる・・・彼の世界は自分が全て支配する世界なのだ