剣の稽古は大変だった。
「おまえ!肘が違うだろ!」
「はい!」
稽古場の床に自分の汗が滴る。だがそんなの気にしてられない。
今は汗よりも目の前の刀と師匠に集中しなくては。
「おい!有栖!お前腰がなっとらん!稽古場の周り1周してこい!」
「えー!!」
「おまえ!」
いつもの如く有栖がふてくされながら稽古場を出ていく。師匠が気付かぬようにこっそりと有栖を笑ってやる。
有栖がそれに気づいて怒り狂う前に稽古を再開する。