桜振る頃



「へぇ〜。沙羅ちゃんは俺にかまってもらえなくてさみしかったんでちゅか〜」



なぜか、赤ちゃん言葉にしてニヤニヤしながら言ってくる。



「秋、気持ち悪い。」


あたしは秋に冷たく返してみせた。



「冷たいなー。照れちゃって〜このやろ〜〜」


そう言いながら秋は子供のようにあたしの背中に飛びついてきた。


「ちょ、秋重いよ〜!!暑い暑い!」


「絶対離さない〜!!」



あたしが逃げようとしても、全然離してくれない秋。


あたしは振り向いて秋の頰を思い切りつまんだ。


「いっってーー!ばか沙羅!」



やっと離してくれた。



「ばかはそっちだよ〜本当に重かったんだからね〜〜!じゃあ寝るから!お風呂いってきな!」


あたしは、秋をシッシッと追い払いベットの中に入った。



「わかったよ〜おやすみ」


秋がドアを開けて部屋を出て行く音が聞こえた。