SE:幹線道路、走りすぎる車の音
   けたたましく鳴るラジカセの音楽

女A「そんでさー、あんまシツコイから二次会ブッチしてかえってきちゃった」
女B「あははー、アンタがっつき過ぎだって~女は黙って網張ってて待ってるのがいいんだヨ」
男A「こえー、それじゃまるで蜘蛛だって―――」

笑い続ける男女達

郁美「…あのー」
女A「あ?」
郁美「すいませんが、ここってバス停ですよね…」
女B「それが?」
郁美「いえ、ちょっとバスを待ちたいんですが、みなさん寝そべってて座る場所がなくって…」
男A「何だ、この女?まだ暑いのに昼真っからでっかいコートなんか羽織りやがって…
   いーからどっか行けヨ、ここは俺達の貸切だ。ほら!」
女A「ホント、バッカじゃないの。コートの中、何が入ってんのよ」
女B「以外にこのコ『露出狂』だったりして~あははははっ」
男A「えっ、そーなの?うわっ、こんな可愛いコなら俺、大歓迎だな~」
男A女A・B『あはははははっ』

郁美「――――そんなに見たいか…」
男A「は?」
郁美「…コートの中じゃ…見たいか?―――――ならば見るがよいっ!」

SE:バッ(郁美、コートを広げる)
   キラーンッ(懐で光る日本刀)
   スラァッ(抜刀する郁美)

男A「うっ、うわああぁぁぁぁぁぁぁっ」
女A・B『きゃあああああぁっ』

SE:脱兎の如く走って逃げだす男女

郁美「…嘆かわしいのぅ…たった千年でこの世は、ここまで堕落しきってしもうたのか…」
龍司「郁美~~~っ」