暗い闇の中…
俺はすぐに結衣の元へ駆け寄った。
「結衣っ!!」
「昴…君…」
「お願いだから病院を教えてくれ…!結衣にとっては、教えたら心配と迷惑をかけると思ってるんだろうけど…俺にとっては、心配して当たり前だ。むしろ、場所を知らされずにいる方がよっぽど心配なんだ!」
「え…?!でも…そんな… 」
結衣は、俺に心配をかけるのが嫌だと言っていた。なら、こう言えば良いんだ!と、俺は現実世界にいる時に考えていた。
「……青山東病院…」
と、小さくつぶやいた。青山東病院…俺が入院している病院とは少し離れた、大きな病院だ。そこに結衣が入院してる…よし!情報は入った。
「言ってくれてありがとう。本当に…」
「心配…しないでね…?すぐに目、覚めると思うから…」
「うん。分かった。俺も、早く退院出来るように頑張…うぐっ…」
「昴君…!!?」
「ゲホゲホッ…ゴホッ…ゴフッ…」
「血が…昴君!!しっかりして!!昴君っ!」
目の前が真っ赤になった。ここは真っ暗な闇のはずなのに……段々結衣の声が遠ざかって行く。それと同時に、俺の意識も少しずつ薄れて行った…