気が付いたら、好きになってた。




あたしの頭の中にはクエスチョンマークがいくつも浮かぶ


そして3名の方々の前に座って


あたしはさらにはっとなったが


声は出ず、ごくんと唾を飲み込んだ



だって...見たことはない顔だけど


男の子の着ている制服が


まさかの同じ高校だったから。




「じゃあ、そういうことでとりあえず1部屋空いてるから。気にするな」


するとお父さんは突然そう口を開いた


それに続き

「いやぁ~すまないな、お世話になる。ほら、お前も」


そういって見知らぬ男性が男の子に促すと


「お世話になります」と静かに言って頭を下げた



えっまって、何事?


するとようやく状況が理解できていないあたしに気づいたのか

お父さんはあたしのほうを向いた



「彼はな、父さんの同僚の水原というんだか 今回父さんの代わりにアメリカにしばらく出張に行ってくれることになったんだ」

「...アメリカ...」


「あぁ、実は水原は帰国子女で英語が話せるから。代わりに、な」


「はぁ....」


まだ、状況が理解できない


ただ1つ分かったのは、この男性は水原さん


お父さんの同僚で英語が話せる。



ということ。って、そんなの別にどうでもいい!!


「それでな、息子の旬くんが桃菜と同じ高校の2年生で。流石に休学をさせるのは可哀想だから、出張の期間うちに住むことになったんだ」



「えっ...うち、に?」


まって、普通に同じ年の男子が

一つ屋根の下一緒に暮らす!?


なに...それ...



「そんなのお前が逆ならアメリカに行く勇気ないだろ?」


「まぁ...」


ごもっともです....が


なにこのドラマみたいな展開は...




正直、それからの記憶はない


気が付けばあたしと彼は2人


ソファと食卓の距離で静かにテレビを見ていた。