気が付いたら、好きになってた。



「しかも何食ってんだよ」


類君が歩いてくる方向から近くのベンチに長い足を投げ出して座っていたエリカが


仰け反る様に後ろの類くんに


「イチゴ!ん、食べる?」


とアイスの棒を差し出すと


自然の流れで受け取り1口かじって

「うんま!」

と可愛く笑った類君。


...普通だったらちょっと嫉妬しちゃうけど

完全に友達関係の2人。


だからなんだかその姿が微笑ましく思えた



すると気が付くと類君はエリカを通り過ぎ

あたしの近くまで来ていて


「松田は何食ってんの?」と。


「...あ、あたしは、レモン...」


「へ~うまそうじゃん!一口頂戴」


「あっうん..」


はい。

と渡そうとする前に

差し出したあたしの手を軽く上から包むように

アイスの棒を握りそのまま一口かじり


「サンキュ」と笑った



....手が触れた


それだけなのに...熱い


あたしってば、いちいち反応してる。