気が付いたら、好きになってた。




....えっと。


何が起きたのか理解出来ず

あたしは硬直したまま、焦点の合わない目で


類君の入って行った教室を見つめる



「....ぷはっ、桃菜ってば!しっかりしろ~」


「...あうっ...えっと」


エリカの豪快な肩の揺さぶりで


ようやく、はっと我に返った。



「ちょっと、大丈夫?桃菜(笑)」

「え...うん、あたし...」


けど、いまだに何があったのか...


あたしは一瞬の出来事を

脳内で永遠にリピートしていた


目が合って...


教室の中へ戻って行くところまでを...全部。



「にしても、やっぱ"脈アリ"じゃん!」

「脈アリ...?」


今のが...アリ...なの?


「だって~類、あたしの肩にもたれた桃菜みて可愛いって思ったんじゃん?今の流れから行くと」



「えぇっ..そうなの!?」


嘘....?あたしを可愛い...?



あたしはそのあともしばらく思考停止した。


ただただ、右肩のぬくもりが余韻となってずっと残っていた