気が付いたら、好きになってた。




「っぶねぇー」

ブルーシートの中で

旬と目が合う

誰にも見えない2人だけの空間


ここだけ時間が止まっているような

周りの音もなんにも聞こえなくて

目の前のあたしを見つめる綺麗な顔は

ゆっくりと近づいてきて....


自然とあたしは目をつぶった___


『ありがとうございましたー!!』


会場に大きく響いたアナウンスで

ハッとなったあたしたちは

慌ててビニールシートから顔を出した。



周りのお客さんは徐々にいなくなってゆく


沈黙がしばらく、続いた


いや、実際にはほんの少しの間だったのかもしれないけど

あたしにはすごく長く感じた




「あ、そうだこれ」

「えっ?」


旬は何事もなかったように

ツンとした表情で小さな紙袋をあたしに渡してきた


なに...?

思わず絵にかいたようなあたしの首のかしげ方に

「良いから早く開けろよ」

と思わず笑う旬


中に入っていたのは...


「えっ...嘘。なんで?」

「なんでって...桃菜欲しそうだったし」


中に入っていたのはさっきのブレスレット、2つ。


「えっ..これ、2つ...」

「どっちか好きなほう選べよ」

「えっと...じゃあ、こっち」


あたしが選んだのは青のほう。

そしてそのままするっと手首に着けた


「ピッタリ....可愛いっ」


「じゃーこっちは俺な」

旬はもう1つの黒のほうをサラッと

手首に着けると

また意地悪っぽくあたしを見て笑った


「お揃い...」

「は?嫌なのかよ」

「ううん!嬉しい...嬉しいよ!ありがとう旬」