それからあたしたちは
適当に水槽を眺めたり、歩き回っていうるちに
小さな雑貨屋さんを見つけて
何気なく入った
そのお店は小さいカフェが併設されていて
ハンドメイドのマグカップやお箸置きなどの
食器からビーズでできたアクセサリーなどが
沢山置いてあった。
「可愛い...」
あたしの目の前には
白と黒の2色で出来たペンギンイメージの
ブレスレッド
青と白の2色で出来たイルカイメージの
ブレスレッドがあった。
ビーズが1つ1つ違って
光に当たるとキラキラ光る綺麗なデザイン
するとふいにあたしの手元に影ができたかと思えば
上から旬が大きな体を織り込むように
あたしを見下ろしていた
「なにそれ」
「ブレスレッドなの!可愛くない!?」
「ふぅん、欲しいの?」
...うわ、絶対またこれ子供扱いされてる...
「べっべつに!」
~♪
"ただいまよりイルカショーを開催致します"
あたしが否定するのと同時に
館内に大きなアナウンスが流れた
「なぁ、これ行こうぜ」
「えっ?まぁ...いいけど」
イルカショーなんて興味あるんだ..
まぁ、あたしも見たいし!
「じゃっちょっとトイレ行ってくるから、待ってて!」
あたしは大慌てで隣のトイレに向かった
「早くしろよー」
幸いショー前でトイレはすいていたため
並ばずに済んだ。
そしてあたしたちはダッシュでショーに
向かうともう大勢の人で席が埋まっていた
「なー、あそこ行く?」
「あっそうしよう!」
そしてあたしたちが座ったのは...最前列。
「これぜってー水かかるやつだよな」
「あっえっ!確かに!だから空いてたのか!!」
「当たり前だろ、馬鹿か」
うそー....ラッキーって思ってたのに
するとマイクを片手にアナウンスをする男性が
『よければ最前列のお客様はこちらをお使いください』と
ビニールシートをくれた。
「有難うございます!」
旬は慣れた手つきでそれを広げると
「で、でかくね?」
と笑いながらもあたしのほうにもかけてくれて
大きなシートに2人で1つくるまった状態になった。
...ドキドキ
隣に、すぐ隣に旬のがいる。
旬と腕が当たっている
...なんであたしこんなに緊張しているんだろう。
旬はというと余裕な顔で大きな目を真剣に目の前の大きな
水槽へとむけていた。
ふふっ
なんか、子供みたい。
...可愛いかも
大音量でBGMが流れ出す。
あたしの小さな笑い声に気付いたのか
旬は
「なに?」と不満げに顔を近づけてくる
「なんでもない」
「いいからおとなしく見てろ」
イルカショーが始まり4頭のイルカが
1頭ずつフラフープの輪を潜り抜けてゆく
飼育員さんを背中に乗せたり
鼻先で押したり
テレビで見たことのあるような大技を
いざ目の前にすると
あたしも旬も興奮して見入っていた。
『それではこれよりラストの大技に挑戦します!』
会場からはワーッと歓声が上がり
会場もヒートアップしていく
『イルカさんたちが大きなジャンプをしますので、前のほうのお客様はブルーシートで濡れないようにカバーしてくださいね』
「っしゃ、しっかり隠れろよ」
旬はウキウキしたような
少年っぽい笑みであたしをちらっと見てから
目の下あたりまでブルーシートで隠した。
あたしも真似をする
『それでは皆様センターにご注目ください!行きますよー3.2.1...』
司会の方のカウントと同時に
4頭のイルカたちが飛び上がり
宙に姿を現した。
そして....
水面につく直前に
ぐっと旬があたしの頭の上までブルーシートをかぶせ
『バッシャーン』

