「なんかあたし、柄にもなくドキドキしてた...」
部屋の前について下を向いたエリカはそう言って
あたしの顔を見た
...か、可愛い...
真っ赤に染まったその顔で見つめられたら
落ちない男子もいない、とあたしは断言できる
「良いじゃん!エリカと青木君、美男美女でお似合い!」
するとぱぁっと明るく笑顔になり
鍵で部屋のドアを開け、入っていった
「あたし...頑張ってみようかな」
と、言いながら。
でも実際、青木君も相当モテるらしい
サッカー部だし身長ももしかしたら類くんより少し高い
筋肉質でガタイがよくて
顔はキリっとしているんだけど 性格が明るくて
お調子者だからかやさしい印象で
先生からも生徒からも愛されている そんな感じ。
部屋に入り軽く荷解きをして
自由行動に必要な最低限の荷物を
鞄に詰め、リップなど化粧直しをして
部屋を出た。
「でも本当、あたし応援するよ」
横を歩くエリカを見上げる
すると可愛い笑顔でそのまま
ぎゅっとあたしを抱きしめた
「桃菜もう、大好き。あたしも応援してるからねっお互い頑張ろう」
...そうだ、エリカのことばっかり考えていたけど
あたしだって...頑張るんだから!

