「んん...」
ピピッとセットした目覚ましが鳴る
うっすら目を開けて時計を見ると....5時
ねむーー...でも、無事起きられた...
いつもより2時間ほど早起きで
不安でしかなかったけど
とりあえず一安心したあたしは
ぐっと伸びをして横に向き直った...と、そこには
「...はっはっ旬!?」
あたしの横で静かに寝息をたてるのは旬
壁側であたしのほうに顔を向けて爆睡している
....ななな、なんで!いるの!?
それにしてもきれいな寝顔...
まつ毛が尋常じゃないくらいバサバサッとしていて
肌も相変わらず綺麗すぎる。
...数秒思わず見とれてしまった
すると目を閉じていても分かる
堀の深い綺麗な瞳がうっすら開き
「んん...もも、な?」
と、一段と低くハスキーな寝起きボイスで一言。
「あっ...えっと、なんでここで寝てるわけ?!」
あたしはその色気たっぷりな旬に
思わずドキッとしてしまいそうになり
体を起こしてその場で旬を見下ろした。
旬は1度目を閉じて両手を伸ばし「んん」と伸びをすると
むくっと起き上がり、正座するあたしの目の前で胡坐をかいた
二重幅が広がったトロンと今にも眠りそうな瞳をこすりながら。
「お前が先に寝たんだろ...」
「は?」
...えっと、記憶がないのですが。
「桃菜が気づいたら準備しながら寝てて、俺がベッドに寝かせてやったの」
旬はやっと眠気が去ったようで
いつものくりっと大きな目でしっかりとあたしを見つめた
「うそ...?」
そ、それってあたしを...抱えて運んでくれたってことだよね?
ボソッと体が熱くなって
鏡を見なくても分かる
あたしの顔はきっと真っ赤に違いない
「で、戻んの面倒で俺もここで寝た、以上!」
最後にニヤッと悪そうに口角を上げると
立ち上がりざまにあたしの髪の毛をくしゃっとなでて
部屋を後にした。
自分で自分の体を抱きしめる。
...な、なにもされてない、よね?
ゴクッと唾をのんだ
落ち着け、自分
落ち着くんだ。
これは事故。
たまたま横にいただけ
なんせもう、家族みたいなもんだし?
....っていうか!あたしも準備しないと!!
必死に自分を言い聞かせ
あたしは準備を始めた。

