気が付いたら、好きになってた。




修学旅行を明日に迎えた夜。


あの後すぐにグループの4人LINEも出来て

毎晩色んな会話が繰り広げられていた。


修学旅行のことも、それぞれの趣味のことも。


今日も明日に迎えた持ち物チェックと題して

お調子者の青木君を筆頭にチェックリストを作り

みんなで同時に準備が進められていた。


『コンコン』


すると返事もする間もなくヒョコッと顔を出したのは旬だった


「だからぁ、着替えてたらどうすんのよー」

と、いいつつ最近はいつもこう勝手に入ってくるのが

当たり前になってきていて


あたしは呆れながら作業を続けた。


「べっつにお前の裸なんて誰も見たきゃねーよ」

ボソッとそう吐き捨てながら

あたしの机の椅子にまたがるように腰かけ


ケータイをいじりだした。



「うるさい!それにケータイいじるなら部屋行ってよ」


旬が居候し始めて1週間程たった。


なのにあの朝教室に行ったあとから

旬も時々3組に顔を出すようになった


類くんもいるし、それに周りの人にもエリカにも言ってないから


変に思われたくなくて

旬を見つけるとすぐ3組から離れたところまで行って

毎度気づかれないように軽くあしらってきた。


本当、でもあの日を栄にいい意味であたしたちの距離は縮まり


まるで兄弟みたいな感じになりつつある


もちろんあたしが、姉ね。