ぶにっ。


頬に優しく触れていた指で思いっきりほっぺをつまんだ。




「いひゃいっ!」




「いーよ。」



一瞬の沈黙。


ほっぺはそのまま。




「だからっ。いーよって。ナオと付き合いたいんだろ?」




チサの目が輝く。


「ひょんと?」


「ほんと、ほんと。ね?だから、ケーキ食わせろ~。」



そう言って、チサの頬から指を離した。



あ~…。

ちょっと赤くなっちゃってるな…。




「うんっ。切るよ~。」


ニコニコしながらケーキを切り分けるチサ。



「てかさ、オレに了承得る必要無くない?」


「え~?だってシュンはナオ君の友達だし、私の1番の理解者だし?」



何で最後は疑問形なんだよ?


…そんな風に笑顔で言われたら何も言えないだろ。