2人は外周を走り終わったところみたいだ。
「なかなか来ないから心配して来たんだけど…。何?今日はもうサボり?」
セトが汗を拭きながら聞いてくる。
オレはチラッとナオの顔を見た。
「うん…。悪いけど今日はもうサボるから。先生には適当に言っといて。」
「じゃあ、オレも帰るわ。セト、悪いけど腹痛とか何とか言って誤魔化しといて?」
ナオも部活休むのか……。オレがチサの所に行こうとしてるのバレたのか?
セトは仕方ないなぁってボヤきながら、1人体育館に戻って行った。
残されたオレとナオ。
先に口を開いたのはナオだった。
「今から時間ある?」
「え?あ、あぁ。」
「シュンと話したいんだけど…。」
何だか申し訳なさそうに言うナオの顔を見て、チクンッと胸が痛んだ。
逃げるな、オレ。
「あぁ、良いよ。」
「良かった。」
オレの返事を聞いて、ナオはホッとした表情を見せた。

