その後はあっという間に授業が終わり、昼休みになった。


セトと2人でアズミ達の部室に向かう。


アズミとチサ、ユカコは同じ部活に入っていて、その部室はオレ達の教室がある第1校舎から離れた第3校舎にある。


校舎を繋ぐ渡り廊下を歩いていると、自動販売機の前で何を買おうか悩んでいる人が居た。



……たかがジュース1本に悩み過ぎじゃないか?




ガコンッ。


「あぁっ!!」


「先輩、悩み過ぎ。」



なかなか選べないでいた先輩の代わりに選んであげた。


セトはペコリとお辞儀している。


「牛乳かよ~…。シュンちゃんセトっち、何やってんの?」


自動販売機から牛乳を取り出しながら、オレに文句を言うわけでもなく尋ねてきた。


宮川真尋(ミヤカワマヒロ)。この人はチサの部活の先輩だ。


肩位まで伸びた髪が風で揺れている。


「アズミに呼び出されて部室行くとこですよ。」


「あ、アズミ出てきたんだ?私も部室行こうってしてたから、一緒行こ~。」


オレ達の返事を聞く前に、スタスタと部室に向かって歩いて行く先輩。


仕方なく後ろを付いていく事にした。