教室に戻ると、先に席に座っていたセトが笑顔でオレを見ていた。
「…何だよ?」
「いやぁ。ほんと損な性格だよね。」
オレはぺチンッと軽くセトの頭を叩いた。
セトは何だか全てを分かった様な素振りを見せるから侮れない…。
その時、ナオがチサとオレのやり取りや、セトとの会話を見てたなんて気が付きもしなかった。
その後はチサとナオが付き合ったからって、別にいつもと変わらない日常だった。
授業を受けて、部活に行って。
ただ、休み時間や昼休みにチサが居る場所がナオの隣ってだけ。
それだけの事。……正直、違和感。
セトはそんなオレの様子を見て笑ってたけど…。

