何も言えないでいるチサの代わりにナオが口を開いた。
「今朝、オレと行くってシュンに伝えて無かったみたいだから。」
だから、何だ?
「チサに謝る様に話してて。ね?チサ。謝るんだよね?」
は?昨日の事ナオに話してないのか?
チサは頑固だから、どんな理由でもオレに謝るとか嫌だろ。
「…ごめん。」
小さい声だったけど、確かに謝った。
…ビックリした。
チサは顔を上げると
「ごめんね?ナオ君と行くって言わなくて。」
もう一度言った。
「いや、別に大丈夫だけど…。」
チサの目が見れない。
素直に謝ったチサに、ナオは笑顔だ。
チサの頭の上に手を置いて、よしよしってしてやがる。
…チサはナオの行動に照れてる。

