「ベッタリだよ。」
笑いながらそう言うこいつは、瀬戸裕也(セトユウヤ)。
入学して教室の席が前後で、部活が一緒だった事で仲良くなった。
不機嫌極まりない顔で教室に入って来たオレを不審に思って、話し掛けてきた。
「おはよう。今日は早いな?」
「おはよ。1つ早いバスで来たから。チサはナオと来るよ。」
他の奴らと同じ様に聞かれたくなくて、チサとナオの事を教えた。
「へぇ~。ナオ告ったんだ?」
…何で知ってるんだこいつ。
セトは驚いた様子も無くて、オレがアホみたいな顔してたんだろう…。
「で?シュンはチサちゃんと何かあった?」
ニッコリ笑顔で聞いてきた。
見透かされてる…。
昨日からの出来事を話して、セトの最初のセリフに戻るわけなんだけど…。

