無事に買えたゲームがやけに重く感じるのはきっと、気のせいではない。
レジで、支払いを済ませたすぐ後のことだった。
私を知る人に見つかってしまったのは。

「どうしよ、さっきのって、同じクラスの……人、だったよね」

声を掛けられて、とっさに逃げ出してきてしまった。
それはもう後悔しても仕方ないから諦めもつくけど……。

「あの人、買ったゲームに気づいてた、気がする」

それが問題だった。
同級生でなければ、見られたり何か言われたとしても気にしないけど。
同じ学校の、しかもクラスまで同じ人にみられるなんて。

「絶対、学校で噂される……」

それどころか、中学の時みたいにイジメられるかもしれない。
そんな考えが脳裏をよぎったが、考えを振り払うように首を振ると、さっきまでとは違い憂鬱な気分で帰宅した。