心で叫ぶ、君のこと






「おっ、ここか。」




着いたのは、屋台とかがある場所からちょっと離れたところの広場みたいなとこ。




おおっ、空が良く見える〜!






「おっきいんだろうね花火!」



「だろーな。こんだけ大規模だし。」




…あ。





まって、ちょっとそこに海央たちいたわ。



結構近くだし!





うわ、こっちみてコソコソ話して笑ってるぅ…!





「ね、ねえ、もうちょっと向こう行かない?あっちのほうが良く見えるかも。」



あわてて、昴をくいくいと押していく。



「は?どこでも変わんないだろ。」


「いやぁそんな面倒くさそうな顔せずにー、ね、あっちあっち。」



あたし、必死ね。



だって、絶対あの3人に見られたくないもん!



むりむり、明日合わせる顔がない!





渋る昴をなんとか押し出して、人混みをかきわけてさっきよりも離れたところに来る。




ふう。これで安心。




「ほら、あんま変わんねえじゃないか。」



昴は不服そう。



「まあ、変わらないならこっちでもいいじゃん。さっきのとこより人少ないしこっちのほうがいいって。」




ほら、周り割と空いて……






ぎょ!?






ま、ま、まって、



そ、そ、その団体客に紛れてるのは…






…はい、紛れもなく海央、梨香子、佐奈。





…もうほんとなに。





うわ、うわ、うわ、当然のようにレジャシーと敷いて陣取り始めた、、。




…もう動けないよね、人増えてきたし昴もうここにいる気満々だし。




はぁ…。最悪すぎて言葉も出ない。





「おい、シート持ってきたか?」



「え?ああ、うん。」




2人用の小さめのレジャーシートを敷いて、並んで座る。


うわー、ちっちゃいから距離が狭い。





これじゃちょっと隣り見て顔寄せただけでできちゃうじゃん。






あーあーそうだ、それをあの3人に見られるんだ。





ほんとありえない。


人キス現場を観察して笑ってるとかその神経が信じられないんですけども!





見てるくらいなら助けなさいよって思う。





あーーでもやるしかないんだ、。




もう恥を捨てろ萌黄!




ガッツだ!!






いや、ガッツでいけばいいってもんでもないとは思うけど…。





とりあえず気合を出すしかできない。




だって練習できないもん!





ぶっつけ本番、しかも不意打ち。




難易度高っ。