りんご飴
綿あめ
焼きそば
たこ焼き
チョコバナナ
かき氷
アイスクリーム
ラムネ
金魚すくい
ヨーヨーすくい
射的
スーパーボールすくい
などなど魅力的な単語が色とりどりのお店にずらりと……
「うっわぁぁぁ!」
もうすごい!すごい!
お店がぎっしり!人がわんさか!賑やか!
お祭りだぁ〜、毎年来てるけど毎年新鮮で楽しい。
「…おまえはしゃぎすぎ。いっつも来てんだろ?」
隣には、完全にドン引いてる昴。
「そーだけどっ。でも1年に1回だしさ、めっちゃテンション上がるじゃん!」
ぴょんぴょん飛び回りたいところだけど、さすがに怒られるからやめとく。
「まあ、確かに楽しいよなこういうの。」
だろだろ?
「よっしゃ、どこ行く?」
「お前にまかせる。でも腹減った。」
その言葉に、自分でも目が輝くのがわかった。
「でしょっ!?その言葉を待ってた!よし、まずはたこ焼きかなっ。」
ぐいぐいぐいぐい手を引っ張りながら人混みをかき分けてく。
「まずはって、何個食べるんだよ?」
「えーっと、できればここにあるもの全部。」
間。
「は!?頭大丈夫か?」
「大丈夫だわばか!できればって言ってんだからウソに決まってるでしょっ。」
「知ってるわばか。」
なっ……!
ったく、あたしに反論しないと気が済まないんだから。
まあ、いいのいいの。なんたって今日はお祭り。フェスティバル。
お目当てのたこ焼き屋さんは、割と長めの行列が出来てた。
うげーまじか、、
「早く並ばねぇと。」
今度は昴があたしの手を引く。
「あ、うん、!」
お、まじですか、行列待ってくれんの?
ありがたや。
だって並んでるってことは美味しいんでしょ?
そんなんぜひ食べたいわ!
「人気だねー。」
「だな。まあ来てる人多いしな。」
……ん?
まって、今なんか大急ぎで行列を離脱して走り去っていく女の子が3人ほど…。
1人、背は高めで黄緑色の浴衣、ショートカットの茶髪。
1人、背は中くらいで水色の浴衣、ポニーテールの黒髪。
1人で、背は低めでピンクの浴衣、ツインテールの茶髪。
いや、どう考えても梨香子、海央、佐奈なんですけど。
…お、おのれぇあやつら、あたしらが来たの確認したら逃げやがったな…!
いや。
前方に広がる光景に、思わず目を見開く。
屋台の壁と人混みに隠れてこっち見張ってますやん…!
しかもわりと至近距離っていう雑さ。
まったくぅ、ここまであからさまとは。
バレバレだっつの。
やりにくいなぁ。
でも気にしてられない、うん。
「どした?」
あんまりあたしの表情が変わってたのか、昴が怪訝そうに聞いてくる。
「あ、いや、なんも。いっぱいあるなーって。」
あは、あはは。。
「そりゃな。おっきい祭りだし。」
「今まで来たことあるの?」
「んー、いや、忘れた。」
忘れたんかいっ。
あ…そっか……行ったとしてもかなり昔になるんだもんね…。
きゅうっと胸が締め付けられていくのを感じながら、小さく
「そっか。」
とつぶやく。
「まあ、祭り自体は何回かあると思うんだけどな。」
あたしの気持ちに気づいてフォローするような言い方に、すぐに返すことが出来ない。
「あ、…そうなんだ。」
「おう。…それにしても長いな。もっとさくさく進まないもんなのか。」
腕を組みながら、おじさんみたいに文句を言ってる。
「いやぁ大変なんだよお店の人も。」
口ではそう言ってるけど、内心早くして欲しくてたまらない。
早く他行かないと。
昴消えちゃったら、、。
花火も見なきゃいけないし。
