心で叫ぶ、君のこと






当日。


なんの当日かと言うと、もちろん夏祭り。




待ち合わせまであと10分。
心臓が太鼓みたいに響きまくってる。




最後にもう1回、鏡の前に立つ。


さっきまで家に海央、梨香子、佐奈が来てて、浴衣の着付けやヘアメイクまで全部やってくれた。



浴衣は薄ピンクの生地に赤い花が散りばめられてる結構派手めなやつ。


佐奈から借りたもので、まぁ、目立ちたがり屋な佐奈っぽい。


髪の毛は高い位置でお団子にしてあって、顔周りのところなウェーブがかかってて、バラがついたかんざしもささってる。



メイクは、もっとゴテゴテにやるのかと思ったら、意外とナチュラルにツヤっぽくやってくれて割と気に入ってる。





…大丈夫かなぁ。



あたしちゃんと女子高生っぽく見えてるかな。



普段女子力なんてカケラもないから。





うーー…不安が積もる。






わっ、やばい時間だ!