心で叫ぶ、君のこと



意気込んだはいいものの、特に何をするかは思い浮かばず。。




何かどーーんと盛り上がる思い出を作りたいんだよなぁ、、。





うーーん…。






「ねえねえ、なんか盛り上がるイベントとかない?」





突然の質問に、3人は目をぱちくりさせた。





「え、なに急に?盛り上がるイベントってどういうこと?」




「学校の行事ってこと?」




「んー、そうじゃなくても、何か今の時期とか楽しいことない?」




「ええ?…あ、夏祭りとか?」




「おおっ!?」



「夏祭りね!去年うちらで行ったよねー。」




「そーそー!佐奈がメロンソーダこぼして浴衣びしょびしょにしてさぁ、」



「ちょっと梨夏子!せっかく忘れてたのにぃ!」



「それに梨夏子がせっかくみんなの髪型やってくれたのにもえが走り回って台無しにするし。」




「ほんとに、頑張ったのに萌黄ってば。でもめっちゃ楽しかった!」



「だよね、今年も行くか!」



「おっ、海央ナイスッ!」




きゃーきゃー言ってる3人の横で、あたしはぐるぐる考えてた。




夏祭りかぁ、、それはいいかも!
浴衣着て、屋台ぶらぶらして、花火見て、美味しいもの食べて…。



最高の思い出になりそうじゃない??




よっしゃ、それで行こう!




「ね、ね!今年は昴も一緒に行かない?」



「え?昴くん?なんで?」




「いやえっと…ほら、みんなで思い出作りたいなぁーって。」




その瞬間、にやっとした顔が3つ…。




「萌黄〜、恥ずかしがらないで言っちゃいなって。」





「そーよ。ほんとは昴くんと2人で行きたいんでしょ?」




「おっとめ〜!いいよあたしたち止めないから。行っといで、ね?」





「は?いやいやいや、違うし!」




いやまじでそんなつもりなかったんだけど、!




「照れなくていいから!大丈夫、こっちは3人でテキトーに行ってくるし、邪魔しないから。」


「いやそういう問題じゃな…」

「楽しんでねぇー萌黄ちゃぁん!」

「デートデート!!」



い、いかん、全く人の話を聞いていない…。

うそでしょぉ…。






でも、意外といいかも。

何気に、昴と2人で出かけたことあんまないし。





…最後だし、ね。


うわっ、やばい泣きそう。
ダメダメ!




楽しまなきゃ!



「…誘ってみる。」

ふかぁーく頷かれ、背中を叩かれ、あたしは昴のもとへと歩き出したのでした…。