心で叫ぶ、君のこと

それからあたしの毎日は、変わった。





昴が知らない方がいいって言うから、海央や梨夏子や他の人たちには何も言わないことにした。







毎日毎日、笑うことにした。
とにかく、小さなことでも幸せを感じる、笑う。





もちろん、泣きなくなるときだってある。
正直、昴の顔を見るだけでしんどくなる時だってある。
家でこらえ切れずに号泣することだって、あるんだ。






だけど。







昴は強い。すごい。
キラキラしてる。今まで以上に。





本当はどう思ってるのかわからない。
きっとすごく悩んでると思うし、苦しんでると思う。





でも、精一杯楽しもうとしてる。





だからあたしもそれについていく。





まだ全然現実についていけてなくても、無理矢理にでも受け入れて、前を向く。





悲しんでたって始まらない。





そう決めたから。







「なんか最近もえさ、変わったよね。」



突然海央がそう呟いた。




「え?なにが?」




「んーなんかさ、いきいきしてる?っていうか、なんか、」




梨夏子が言って、



「目覚めた?」



佐奈が繋ぐ。


「目覚めたって…。」


あたし、今まで眠ってたの?




そうかもしれない。




なんか、ずっと昴に甘えてたかも。




昴には何回も助けてもらったけど、あたしが昴を助けたことってあんまりないし…。





いかんいかん、こんなことではいかん!




「そうなの、真野萌黄目覚めました!という訳で、これから素敵なライフを過ごすからよろしくね♪」




「…あ、そう。」

「がんば、?」

「…ファイトぉ?」

…なにその微妙な反応。




ま、いいや、これからあたしが昴にどんだけ尽くすか見とけよ!