あんな独り言...。


聞かれたくなかった。


「ああ、ごめん、急に話しかけて!!俺、滝川晃(たきかわ あき)!!」


「あ、き?」


「そう!で、助けてって聞こえたから来てみたら君がいた。」


たきかわくんか...。


「君の名前は?」


「羽田りこ...です。」


「りこちゃんね、よろしく」


そういうと滝川くんは...


「大丈夫?」


そんな言葉をかけてきた。


「大丈夫。」


私は、嘘をついた。


「泣いてるのに?」


滝川くんがそう言った。


泣いてる?何言ってるの?


私は、自分の目元を拭ってみた。


濡れてる。


泣いてたんだ。