晃side


「幸せだった。」


そう言ってりこは目を閉じた。


先生が、静かに「16:50享年17と言った。」


「りこーーーー、!!」


杏が泣き叫んでる。


どうして、こんなにも呆気ないんだろう。


俺、まだ言いたいことあるのに。


したいことたくさんあったのに。


まだ、笑顔たくさん見れてないのに。


どうして死んじゃったんだよ。


その時「あなたたちがが晃くんと杏ちゃんなのね。」


りこのお母さんに話しかけられた。


「ありがとうね。りこを笑顔にしてくれて。幸せだったって聞けて、本当に良かった。全部あなた達のおかげだよ。それでね、これ預かってるの、りこから」


そう言って出されたのは手紙だった。


晃くんへ。


そう封筒に書かれていた。


俺はそれを受け取って逃げるように病室から駆け出した。