それは、私が滝川くんを避け始めて１ヶ月くらいたった頃…。


杏と廊下を歩いてると他のクラスの女子たちが話してる会話を聞いてしまった。


いや、正確には聞こえてしまった。


あき…その名前を聞いた瞬間滝川くんだって分かった。


だから、足が勝手に止まった…。


｢最近さ、あき超怖くない？｣


｢あ！分かる！話しかけんなオーラ出てるよね。｣


｢優しかったのにどうしたんだろ？｣


｢なんかこの前、携帯見てめっちゃ泣きそうな顔してたの!!｣


｢え、なにそれ？！彼女とか？！｣


｢えぇ。ショック…｣




別世界の話。


私にはもう、関係ない。


｢りこ？大丈夫？！｣


それなのに、勝手に泣いてどうするんだろう。