教室に戻ってきてちょうどチャイムがなった。


杏は私の隣の隣


目が合って口パクで、


『セーフ』と言って笑った


私もつられて笑った。


そこに先生が入ってきた


「はい、授業始めるぞー教科書の……」


私は、大きな青空を見上げた。


さっきのやつは何だったんだろう。


ずーっとずっーと答えが出なかった。


気づいた頃には授業が終わっていた。


私の席に杏がきた。


「りこ、ぼけーとしすぎ!笑笑」


「え!あぁ…笑笑ごめん」


「考え事?」


「そういうのじゃないけど。あ、質問してもいい?」


「なにー?」


「もし、誰かに笑いかけられた時にドキドキして時間が止まったみたいに動かなくなるってどうしてだと思う?」


そう聞いたら、杏が急ににやけ出して


「りこって天然なの!?笑笑それはね、そこ人に恋してるからだよ」


恋……してるから??


「なに、りこ誰かに笑いかけられたの?!笑笑」


「いや私じゃなくて友達…に相談されて!!」


友達なんかいないくせに...。


簡単に嘘ついて、ごめんね、杏。


杏は嘘に気づいたのか気づいてないのか分からなかったけど、たぶん上手くごまかせたと思う。


「そっか・᷄・᷅じゃあその子に頑張ってって伝えておいてね!」


「うん、ありがと」