《晃side》


屋上で、助けてって聞こえた。


今にも消えてしまいそうな、小さな声の主は、羽田りこ。


白くて綺麗な肌、ぱっちりとした目。さらさらの黒髪。


けど、なにかを、諦めたかのような目は輝きをはなってはいなかった。


5時間目なんて、だるいから保健室でサボることにした。


「美織せんせーやっほー」


「晃くん?なに、サボり?」


「うん!笑笑」


「だめよ〜笑笑」


「いいじゃん!首席だよ?誰も文句言わないって!!笑笑」


「そーですねー笑笑しかたないなー静かにしててね」


「はーい」


こんな見た目だけど一応首席。


だから、学校もあんまり俺に言わない。


そういえば、りこちゃん何組なんだろ。


考えながら俺は目をつぶった。