そしてライブが始まった



バンドの人もいれば、弾き語りの人もいる
そして一つとして同じ音はなくて、その場にいるだけで心が踊る


………



「ねぇ」
「へっ?!な、なに?」

音が大きいからか、いきなり風波くんが耳元で話しかけてきた


耳元ってめちゃめちゃドキッとくるじゃんか!しかもくすぐったがりだから耳元とかビクってなるし…


「顔、赤いよ?大丈夫?」
「え?!あ、大丈夫大丈夫!どうした?」

あぁ、といってまた近づいてくる顔
近づいてくると分かっていても顔が熱くなってドキドキするのが分かる

「園崎、いつごろ出るの?」
「あ、うーんとね、あと三つくらい終わったらかな!」

ふーん、となんだかこっちを少し笑いなが
ら見てる風波くん


なんか、

いつもと違くない?表情…
なんか王子フェイスというよりちょっと悪い顔してるような…

「ずっと、見てるから」


えっ?



ドキンっと胸が高なった
どんどん体が熱くなる
その言葉を言う時の風波くんはいつもの王子様フェイスで…

ううん、いつもよりもっと甘い顔でそう言った

「あ、ありがとう…」
「うん♪」




可愛くニコッと笑った風波くんに半分ノックアウトされそうになりつつ、私はまたバンドの演奏を聴くのに必死な振りをした