現在、寮の入り口に立っているわけなのだが、

「鍵がかかってる。なんでなの。」

 どうしようかと思っていたら…

「あっ、女の子発見。」

 突如として後ろから声がした。

「わっ。」

 と、素直な反応をしてしまった。

「びっくりした?」

 と、聞かれ頷く。

「あ、あの…えっと…」

「食べる?」

 と、制服を軽く着崩した男の子が

 自分が食べていた、棒付きアメを見せる。

「大丈夫です。」

「そっ。で、うちの寮の前で何してるわけ?
 燈架と尋李に見つかると大変だよ。」
 と、言われた。

「残念。もう遅いから。」

 と、またしても後ろから声がする。

 振り返れば、いかにも優等生ですといった具合の人と

 女子にも負けなさそうなルックスの男の子が立っている。

「皇ちゃん、だれその人。」

 優等生くんの後ろからこちらをみながら聞く男の子。

「誰だっけ。」

 と、こちらをむいて私に問う皇ちゃんらしい人。

「えっと、その、あの…」

 と、どう話せばいいのか戸惑う。