side 笙
「雨が降ってきたね。」
尋李が言う。
「そうだね。」
返す。
「これからまたひどくなるんだろうね。」
隣に座る和が言う。
今日は雨が降ってきたため全部活は
練習時間を繰り上げ、寮生は全員寮に戻っている。
みんなリビングルームでそれぞれのことをやっている。
「燈架、眞奈しらない?」
珂が言う。
「部屋にいないのか。」
と、燈架は返す。
「いないから、聞いてるんですよー。」
皐が挑発的にいう。
「歓迎会しようと思って。」
梛が言うと、皇が
「外、だったり。」
と、半笑いでいう。
「バカじゃあるまいし、さすがにこの雨なら
帰ってるだろ。」
と、こちらもあきれたふうに返す。
「でも、あの健気さ、あり得るよ。」
と、最悪なことも考えいう。
今までの行動から推測するにあり得る。
眞奈は真面目すぎるくらいに真面目。
自分の仕事はなにがあってもやり遂げるような子。
急いで外を確認する。
「いないね。」
確認できる範囲には見つからない。
「いないっすね。」
何人かがのぞき込む。
「あたりまえだろ。」
燈架は呆れ顔でいう。
「じゃあ、どこだろね。」
梛がいう。
ひとまず、リビングにはいない。
この様子じゃ部屋にもいないから…
(ガチャッ)
一斉に音のした方向を見る。
「寮長すみません、遅くなりました。
ほかに何か…」
眞奈の姿がある。
雨の中作業をしたのは見たまんまだ。

