真っ白な空間。
真っ白なベッド。
ピッ、ピッ、と規則正しく鳴る機械。
こんな所に居て、生きる価値なんかあんの?って思ってたときに、君と出会った─ 。




私、中野穂乃果17歳。
今年で高校2年生になるはずだった。
なのに、生まれ付きあった病気が悪化して、今は入院してる。最初は早く退院出来るって思ったんだけど、もう秋だ。
枯れ葉が散るように私も散ってしまうのかなって思っちゃう。バカだな。私。こんな事思っても何にもならないのに…。
そうだ。屋上にいこ。気持ち晴れるかも。
私は、階段を登って屋上に出た。
「はぁ〜風気持ちい〜。」
久しぶりに外の空気吸ったかも。
そう思ったとき。
─ガチャッ
「誰?!」
そう言って振り返ったとき、1人の少年がいた。
少年が言った。
「誰ってひどいなー。」
ハハッと少年が笑った。
「普通、誰って思っちゃうでしょ。」
「まぁそれはそうだね。」
「それよりも、あんた誰?何歳?」
「僕? 僕はね、里中陸斗。17歳。」
へぇ、同い年なんだ。
それにしても、幼く見えるなぁ。
「あんた何しにここにきたの?」
「あんたはやめてよ。陸斗って呼んで!」
「分かった。じゃあ陸斗。何でここにきたの?」
「それはねー。…外の空気を吸いたかったの!」
へぇ同じ理由か。
「私も同じ理由。」
「へぇ!そうなんだ!あっ、そういや名前聞いて無かった!名前は?」
「名前?私は中野穂乃果。」
「じゃあ、ホノちゃんって呼ぶね。」
「ちょっと、勝手に呼ばないでよ!」
「いいじゃん!おっと、もう時間だ!バイバイ、ホノちゃん。」
「だから、やめてよ!」
陸斗は行ってしまった。
「さて、私も戻るか。」
階段を降りて、病室に戻った。