「落合くん、私、やっぱり音楽続けたい。動機は不純かもしれないけど、私、音楽が好きなんだと思う。」
「うん。」落合くんは笑顔で頷いた。
「それがいい。財満さん、作詞は下手だけど、歌は上手いから、きっとテイラーを越えるシンガーソングライターになれると思うよ。」
「じゃあ、これからも私にギター教えてくれる?」
「いいよ。その代わり、勉強教えてくれるならだけど。」
「いいよ。でも、ちゃんと授業に出るならだけど。」
「出るよ。オレ、大学行きたいもん。」
「どうせすぐ授業サボるくせに。」
「確かにサボりたくなる時もこれからあると思うよ。でも、そんな時は、今日のことを思い出すようにする。財満さんがここまで自力で頑張ったことをさ。」
落合くんのその言葉を聞いて、こんな私でも誰かの心に残る何かができるんだってことがわかって、そのことが嬉しくなって、ああ、もう一生音楽を続けていたい。そう思った。



