好きですか? いいえ・・・。






3階まで来た。屋上まであと14段の階段が4つもある。でも、たかが4つ。今、上り切った階段が4つ。あと半分だ! 頑張れ、十志子!



ふと、背後でガシャンッという音がして、振り返るとそこには車椅子があった。この学校で車椅子があるということは、私の車椅子しかない。



その車椅子の横には、脚がある。縦線の入った高校の制服を着た脚。舐めるように見上げると、そこには私を驚かす顔があった。



「……川上……くん?」



私の大好きだった人、川上くんが私の車椅子を持って、立っていた。川上くんは、気まずそうな顔をして、私から視線を逸らした。この気まずさは私が生んだものだ。にもかかわらず、川上くんは私の車椅子を私がここまで上ってきたところまで運んできてくれたんだ。



言わなきゃ、いけない……。



「川上くん。ありがとう……。そして、この間はごめんなさい……。」



川上くんは私の言葉に、照れ笑いを浮かべた。そして、一言。



「頑張れ。車椅子はオレが運ぶから。」



その言葉を聞いて、私の目に狂いがなかったことを知った。私は、本当に優しい人を大好きになった。川上くんのあの言動は、きっと川上くんの中にある純粋な親切心だったのだ。それを私は、無下にしてしまった。



きっと、私が休んでいる間、周りから白い目で見られたはずだ。それなのに、こうやって私を支えてくれている。見守ってくれている。



本当に優しい人を、酷い目に遭わせて、私は本当に最低だ。そして、そんな最低な私を尚も助けてくれる人がいる幸せを噛み締めて、それを勇気とか力に変えて再び上り始めた。