「わかった。返すよ。」
「よし! それじゃ、屋上で待ってるから。」
私は耳を疑った。
「『屋上で待ってる』って、まさか今からってこと?」
「当たり前じゃん!」何を言ってんだ? と言った風に。
「『善は急げ』って言うし。」
これは、善……なのだろうか……。
「とにかく、待ってるから。財満さんが来るまでずっと待ってるから!」
「ちょっと、落合くん!? 私、もう学校には……。」
慌ててそう言った私の言葉は、もう落合くんには届いてなかった。
スマホをベッドの上に落として、立てかけられたアコースティックギターを眺めた。
「行かなきゃダメかあ……。」
大きなため息が出た。



