「財満さんは、もう学校来る気ないんだろ?」
「……。」何も言えない。
「来る気ないんだったら、もう会うこともないと思うんだよ。だから、アコギ、返してくれないかな?」
当然のことだ。高価なものを借りパクなんて私だってしたくない。落合くんにギターを返さなきゃいけない。
「わかった。なら、家に取りに来てくれる?」
「やなこった。」また食い気味で言われた。
「やだね。めんどくさい。」
「じゃあ、どうすればいいの?」
「自分が借りたんだから、自分で返しに来て。」
「自分で……?」
落合くんの言うことは正論。尤もだった。でも、返しに行くということは、落合くんと会うということになる。それはそれで気まずかった。でも、借りたものすら返せないような人間にだけはなりたくない。



