「ごめんね。約束守れなくて……。」
「ホントだよ、まったくだよ。財満さん、学校にも来ないし。まあ、あれだけ派手にやっちゃったから学校に来にくいってのはわかるんだけど……。」
「……ごめん。」
本当にごめんなさい、落合くん。私は、電話越しで泣きそうになった。ただ、落合くんの食い気味の、
「いや、許さない。」この一言で、涙は目の奥に引っ込んだ。
「許さない。絶対許さない。死ぬまで呪ってやる。それくらい許さない。」
「ちょ、ちょっとそれ、恨み過ぎじゃないかな?」
「恨んでるよ。憎んでるよ。大学落ちたら財満さんのせいだからな!」
……それは、心外だ。
「私だけのせいじゃないでしょ! 落合くんだって授業サボって、勉強なんかしてなかったじゃん! いくら私が勉強を教えたって、普段から授業受けなかったら受かるものも受からないでしょ!」
「じゃあ、財満さんはオレが教えてる時以外でも、ギターの練習してたの?」
「してたよ! 毎日、毎日、指の皮がズリ剥けるくらい必死に。」
そこまで言って、私は口籠った。電話越しで落合くんの笑い声が聞こえる。
「へえー、そう。で、それは一体何のために頑張ってたわけ?」
私は何も言えなかった。



