「まだ怖い?」 「うん……ちょっとね……。」 「そっか……。」 すると、落合くんは車椅子をグイグイと押し始めた。 「ちょ、ちょっと!? 聞いてた!?」 「聞いてた、聞いてた。」 そうは言うものの、落合くんは車椅子の速度を緩めない。そして、私の教室の前の扉を、授業中にもかかわらず、急にガラッと開けた。 「すんませーん! 遅れましたー!」